◆領収書公開はイヤ、パー券購入者公開基準も下げたくない
現在は使途の公開義務がない政策活動費について、自民が17日に国会提出した改正案は、政党から50万円超の支出を受けた議員が「組織活動費」「選挙関係費」「調査研究費」など使途の項目を党に報告し、党の収支報告書に項目別の金額を記載するとしている。 首相は20日の予算委で「(自民案は)どのような目的で、いつ、いくら使用されたかが明らかになり、国民の疑念の払拭に資する」と強調。領収書の公開については「個人のプライバシーや政党の活動が明らかになってしまう」と述べ、大まかな項目以上の公開に否定的な答弁を繰り返した。岸田首相=17日、首相官邸で
立憲民主党や日本維新の会からは「領収書を公開せずに本当に使ったか分かるのか」「不透明なカネを温存しようとしている」などの批判が相次いだ。 立民の野田佳彦元首相は自民案を「取りまとめが一番遅い上に、中身が一番薄っぺらい」と切り捨て、企業・団体献金の見直しへの言及がないことについて「平成の政治改革の積み残しだ。全く触れないのは信じられない」と非難した。 政治資金パーティー券購入者名の公開基準額の引き下げも論戦の焦点となった。公明党や一部の野党は現行の「20万円超」から通常の寄付と同水準の「5万円超」への引き下げを主張するが、自民は「10万円超」への変更を掲げている。 立民の落合貴之氏は「10万円以下ならパーティー券を購入しても氏名は公表されない。パーティーを倍の回数開けば今までと同じになる」と指摘。首相は、パーティー券は対価と位置付けられ、寄付と性格が異なると説明し、「公開基準を同じ額にする必然性はない」と言い張った。 各党の政治資金規正法改正案は22日の衆院政治改革特別委員会で審議入りする。(井上峻輔) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。