林芳正官房長官は22日の記者会見で、小泉純一郎首相(当時)の2度目の北朝鮮訪問からこの日で20年となることをめぐり、「2002年に5人の拉致被害者が帰国し、04年に5人の拉致被害者の家族が帰国されて以来、1人の拉致被害者の帰国も実現していないことは痛恨の極みであり、まことに申し訳ない」と述べた。引き続き拉致被害者の帰国に向けて取り組む考えを強調した。
小泉氏の2度目の訪朝以来、日朝首脳会談は開かれておらず、拉致問題も未解決のままとなっている。林氏は会見で、今月行われた国民大集会や特定失踪者の家族らとの面会に触れ「ご家族から『一刻も早く家族をかえしてほしい』という悲痛な訴えを改めて直接伺い、一刻の猶予もないという切迫感を改めて実感した」と説明。「引き続き全ての拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく、全力で果断に取り組んでいく」と語った。
小泉氏は02年9月と04年5月の2回、北朝鮮を訪問。2回目の訪朝では、北朝鮮に残されていた拉致被害者家族5人の帰国が実現した。岸田文雄首相は拉致問題解決のために「トップ同士が腹を割って率直に話し合える関係を構築していくことが極めて重要だ」と日朝首脳会談に意欲を示しているが、複数の政府関係者によれば、日朝交渉は停滞局面に入っている。(笹川翔平)
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