ヤンマーホールディングス(HD)傘下のヤンマーパワーテクノロジー(ヤンマーPT)は29日、メタノール燃料に対応した船舶用エンジンを2026年に発売すると発表した。運航中に従来のディーゼル燃料からメタノール燃料に切り替えられるエンジンで、船舶所有者の脱炭素需要に対応できると見込む。
ヤンマーPTが神戸市内のイベント会場で開いた技術懇談会で公表した。メタノールはディーゼル燃料と比較して二酸化炭素(CO2)の排出量が少なく、アンモニアや水素と並んで脱炭素に貢献する次世代燃料として注目されている。ヤンマーPTは24年内に実機を用いた試験を実施し、26年に販売を始める。
すでにヤンマーPTは燃料を切り替えられる「デュアルフューエル機関」として液化天然ガス(LNG)燃料に対応したエンジンを販売している。LNG燃料を利用すると、ディーゼル燃料と比較してCO2排出量を25%減らせるという。メタノールは他の次世代燃料と比較して貯蔵しやすい利点があり、コンテナ船など大型の外航船での利用が見込まれる。
アンモニア燃料に対応したデュアルフューエル機関のエンジンは、まだ安全性に課題があるといい、28年ごろをめどに実機での検証を経て商品化を検討する。主に国内を運航する内航船向けに、水素エンジンの開発も進めている。
特機事業部長の廣瀬勝取締役は「外航船は27年ごろまでディーゼル燃料が主流だが、その先はLNGとメタノールが続くと考えている。その先にアンモニアが来る」と説明する。複数の次世代燃料に対応した戦略でエンジンを開発する考えだ。
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