KDDIは30日、宇宙関連のスタートアップと大企業をつなぐオープンイノベーションプログラム「MUGENLABO UNIVERSE(ムゲンラボユニバース)」を始めると発表した。新しい技術をもつスタートアップを発掘し、有望な企業は出資を検討する。宇宙産業の発展に向け、KDDIは月と地球を結ぶ通信網を2028年までに構築する目標も明らかにした。
ムゲンラボユニバースには30日時点で大企業13社がパートナー企業として参加を表明した。30年には大企業100社、スタートアップ500社の規模を目指す。
複数の実験環境を提供する。スペースデータ(東京・渋谷)の協力のもと、25年度にも地球と異なる月面特有の温度や重力環境をデジタル空間上で再現する。宇宙空間でのロボット操作などの実験での活用を想定する。27年度には実際に宇宙空間で植物を栽培できるような実験環境を設ける。作物の生産など地球上の課題を解決できるビジネスにつなげる。
KDDIは宇宙事業に必要な通信環境を整備する。30年に月面上で高速通信規格「5G」を構築する目標も掲げた。KDDIの松田浩路取締役は「KDDIが培ってきたノウハウを、これからの宇宙での通信に生かすことができる」と述べた。
KDDIは11年にスタートアップとの協働プログラム「∞Labo(ムゲンラボ)」を始めた。今後のビジネス拡大が見込まれる宇宙関連産業に特化したプログラムを立ち上げ、有力企業への出資や新規株式公開(IPO)なども視野に協働を進める。
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