月面でメインエンジンが上を向いた状態の探査機「SLIM(スリム)」(右上)=1月(画面の中央にデータの欠損があります)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は27日、1月に月面着陸した探査機「SLIM(スリム)」との通信再開を21~27日に試みたが、電波を確認できなかったと発表した。5月に試みた際も復旧できなかったため「今後も通信できる可能性は低い」としている。想定を超えて約5カ月間に及んだ運用を終える見通し。

 スリムは月面の狙った場所に着陸する技術実証を目的に開発され、着陸後の稼働期間は数日と見込んでいた。だが氷点下170度にもなる過酷な夜を耐え抜き、設計上は想定していない3回の「越夜」に成功した。昼は110度にもなるため、休眠と復旧を繰り返すたびに故障確率は上がっていくと考えられていた。

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