NTTの島田明社長は7日の決算発表記者会見で、傘下のNTT東日本とNTT西日本が提供している国内の電報サービスについて、「どこかのタイミングで終了させる方向で公的な場で話を進めるべきだ」と述べた。利用の激減でサービス収支が悪化しているため。ただ、電報は結婚式や葬儀などで引き続き利用されている上、廃止も許可制で、具体化にはハードルがある。

電報事業は、電気通信事業法の付則でNTT東西とKDDIのみが「行うことができる」と規定されており、NTT東西の契約約款や料金の変更は総務省が認可している。

NTTグループの電報取扱量は、旧日本電信電話公社当時の1960年代に年間約9500万通とピークに達したが、近年は約380万通まで落ち込み、約60年で96%減少した。インターネットの普及で電子メールや通信アプリなど手軽な連絡手段が登場した影響が大きい。電報を利用する用途も、ピーク時は緊急連絡が全体の86%を占めたが、近年は慶弔での利用が9割以上となっている。

NTT東西は今年7月、店舗・企業の電話帳「タウンページ」の発行終了を公表。電話番号案内の「104」、天気予報の「177」の各種サービスの廃止も決め、不採算事業の整理を進めている。

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