「名人戦」の第1局は10日、東京・文京区で始まり、2日目の11日は後手の豊島九段が10日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」から再開しました。
藤井八冠と豊島九段がともに陣形を整えながらチャンスをうかがうじりじりとした展開が続きますが豊島九段が先に攻めをしかけると激しい攻め合いとなります。
一時は藤井八冠が追い込まれますが残り時間が少なくなる中豊島九段の指し手にミスが出ます。
その隙を見逃さなかった藤井八冠が「桂馬」や「銀」を活用して逆転すると、午後9時22分、豊島九段が141手までで投了し、藤井八冠が初戦を白星で飾りました。
藤井八冠は去年9月の「王座戦」第2局以降、タイトル戦の対局で連勝を続けていて、11日の勝利で歴代1位の大山康晴十五世名人の記録まであと1勝に迫る16連勝に伸ばしました。
去年、史上初の八大タイトル独占を達成した藤井八冠は、ことしもすでに「王将」と「棋王」のタイトルを防衛し、現在並行して行われている「叡王戦」でも防衛に臨んでいます。
「名人戦」七番勝負は、ことし6月にかけて日程が組まれ、先に4勝した方がタイトルを獲得します。
次の第2局は、今月23日と24日に千葉県成田市で行われます。
藤井八冠「押されている時間が長い将棋だった」
対局のあと、勝利した藤井八冠は、「序盤はあまり想定していない展開で、1手1手難しいかなと思いながら指していました。終盤はこちらがどう粘るかという展開だったと思いますが、『桂馬』を跳ねて駒を活用しながら攻めの形ができたので、その辺りで初めてよくなったと感じました。内容的には押されている時間が長い将棋だったと思うので、まずはしっかり振り返って次の対局につなげたい」と話していました。
豊島九段「チャンスの局面もあった」
一方、敗れた豊島九段は、「序盤は指してみたい形でしたが『封じ手』の辺りは難しいかなと思っていました。チャンスの局面もあったと思いますが、『香車』を打った辺りはまだ少し時間もあったので考えないといけなかったと思います。持ち時間が9時間の対局は久しぶりだったので1局経験できたのはよかったです。しっかり準備してまた頑張りたい」と話していました。
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