串本の潮岬沖にアオリイカの産卵床を設置=串本ダイビング事業組合提供

 和歌山県串本町沖のダイビングスポットに地元のダイビング事業者たちが、アオリイカが卵を産み付ける「産卵床」を設置した。貴重な漁業資源のアオリイカを増やすとともに、ダイビング愛好者に産卵の様子を見てもらうのが狙いだ。

 町内のダイビングショップ24事業者でつくる「串本ダイビング事業組合」が、公益財団法人「日本釣振興会」の協力も得て毎年行っている。

 アオリイカは、海藻などに卵を産み付けるが、海洋環境の変化による「磯焼け」などで海藻類が減少しているという。そこで、山から切り出した広葉樹の枝を束ねた産卵床を海底に設置して海藻の代わりにする。

 アオリイカは、動きが速く警戒心が強いが、オスとメスが集まって産卵行動をする時には、間近で観察しても逃げないという。

間近に見られる時期は…

 4月17日に、インストラクター資格を持つ11人のダイバーがボート2隻で潮岬沖のダイビングスポット3カ所に産卵床を設置した。水深約20メートルの砂地に、1.5~2メートルの木の枝30本ほどをロープで束ねて土囊(どのう)で固定した。

 アオリイカの産卵行動は、大型連休から6月中旬ごろまで見られるという。事業組合イベント係の中井嘉昭さん(50)は「串本は大阪からも来やすい。大きなサイズのアオリイカを間近に見られるチャンスなのでぜひ来てほしい」と話している。(菊地洋行)

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