環境省は2025年度の税制改正で、廃棄物処理の高度な技術を持つなどして国の認定を受けた事業者向けの法人税の減税措置を求める。事業者が設備投資にかけた費用の一定割合を法人税から控除する案を想定する。太陽光パネルやペットボトルといった資源の有効活用に弾みをつけ、業界全体の技術の底上げを図る。
環境省は4年間の優遇措置を求める。月内に要望内容を発表する。年末の与党税制調査会や財務省との協議で詳細を詰める。
政府は5月に、基準を満たす事業計画を持つリサイクル業者を認定する新制度を創設しており、この認定企業が優遇税制の対象になる。廃棄物の再資源化のための収集や運搬、処分事業の技術の高度化を進めるのが新制度の目的だ。
認定の条件として①資源の需要に応じた廃棄物の収集や運搬②太陽光パネルなどを高度な技術を用いて分離・回収③人工知能(AI)を活用した効率的な再資源化設備などの導入――の3項目を掲げる。いずれかを実施しているか目指していれば国の認定を得られ、再資源化に向けた投資を行う事業者は優遇税制の対象になり得る。
環境省は25年末ごろから認定制度の運用を始め、3年間で100件の認定を目標に掲げる。
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