スマホには内蔵するセンサーを駆使して、利用者の睡眠状況をモニターする機能やアプリがたくさんある。計測方法も実に簡単で、スマホを枕元に置いておくだけ。たったこれだけで就寝と起床の時刻を記録できる。利用するアプリによっては睡眠の状態まで分析できる(図1)。
睡眠は健康的な生活に大事
睡眠状況を計測する理由は、眠りの質を高めるきっかけになるからだ。一般に、睡眠の不足はストレスの要因になる。最近では生活習慣病を発症するリスクが高くなるという研究結果もある。そこで、自分が健康的な規則正しい生活ができているのかを見極める、一つの指針として採り入れるとよい。
睡眠の計測データは、「iPhone」とAndroid(アンドロイド)スマホ、それぞれが用意しているOSの健康管理アプリで確認できる(図2)。ただし計測方法は、OSによって異なる。iPhoneは標準機能で睡眠時間を計測できるのに対し、Androidは別途、睡眠計測に対応したアプリを導入する必要がある。
そのため、まずはiPhoneの標準機能で睡眠計測する方法から見ていこう。「Apple ヘルスケア」から設定できる「睡眠スケジュール」を実行する。同機能と「iPhoneでの就寝時間を記録」する機能をともに有効にしたら、あとは毎日の就寝・起床時刻を設定するだけだ(図3)。
土日だけは少し遅く寝たり、起きたりといったスケジュールの切り替えも可能(図4)。普段の生活を考えつつ、生活のリズムを崩さない程度の時刻に設定しよう。睡眠スケジュールを設定した後は、就寝時刻が近づくと通知が届いて寝るように促されるほか、起床時刻には音が鳴る目覚ましとしても機能する。
なお、iPhone標準の睡眠計測は、操作しなかった時間を眠っていたとみなすという簡易的な方法。そのため画面をスリープせず、動画を連続再生するなどして点灯し続けていると、睡眠時間を計測できないことがあった。
専用アプリで睡眠を計測
Androidスマホ、もしくはiPhoneで睡眠状態を詳細に計測したいなら「Sleep Cycle(スリープサイクル)」を導入しよう。iPhoneなら「App Store(アップストア)」、Androidなら「Playストア」から入手してセットアップする。
実際に睡眠計測をするには、寝る前にアプリを起動して起床時刻を指定して開始ボタンを押すだけ(図5左)。あとはスマホを枕の脇などに置いておけば、寝返りなど体の動きをスマホが検知し、睡眠の状態を記録する(図5右)。
設定した起床時刻が近づくと、アプリが眠りの状態を推測してすっきり目覚められるタイミングで目覚まし用の音が流れる。起きたら、アプリの画面を上にスライドすれば計測終了だ(図5中)。
Sleep Cycleを導入する際の注意点は、有料の定期契約が必要なこと。ただし、有料サービスを解約しても睡眠の計測は可能だ。呼吸回数のモニタリングといった付加機能が不要なら、試用期間中に定期契約は解約しよう(図6)。
スマートウオッチを組み合わせる
Sleep Cycleのようなアプリよりも手軽に睡眠計測できるのが、スマートウオッチ。腕に装着したまま寝るだけで、就寝と起床の時刻、睡眠の質などを詳細に記録してくれる。アプリのように自分で開始ボタン押す必要がないので、計測をし忘れる心配がないのが利点だ。
睡眠計測だけなら4000円台の低価格品でも十分。図7では、人気のあるXiaomi(シャオミ)の「Redmi Watch 3 Active」で計測した睡眠記録を示した。スコアで睡眠の質を分析してくれる。内蔵するセンサーなどを駆使して睡眠中の平均心拍数や血中酸素レベルなど、スマホのアプリよりも詳しいデータを記録できる。
(ライター 原如宏)
[日経パソコン 2024年4月22日号の記事を再構成]
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