【ジュネーブ共同】世界気象機関(WMO)などは27日、海の水位が2014~23年に毎年4.8ミリ上昇し、1993~2002年の2.1ミリに比べて上昇速度が倍増したとする報告書を発表した。要因は、地球温暖化による海水の膨張や陸氷の融解。海抜の低い島国や沿岸の大都市での生活に深刻な脅威をもたらしていると指摘した。
報告書によると、1993年から2023年にかけ、世界の平均海面上昇が9.4センチだったのに対し、太平洋の熱帯域では15センチ以上を記録する地点があった。太平洋の島しょ国は温室効果ガスの排出量が少ないのに、海面上昇による影響を最も受けやすい。
国連は、20~50年の海面上昇の予測も公表。東京で13センチ、大阪で27センチの上昇をそれぞれ見込んだ。
国連のグテレス事務総長は27日、訪問先の南太平洋トンガで「海面上昇はトンガだけで終わらず、私たち全員に漁業や観光、海洋経済の破壊を伴って襲いかかってくる」と演説し、化石燃料からの脱却などで温室効果ガスの排出削減を進めるよう世界各国に訴えた。
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