「王位戦」七番勝負はここまで藤井七冠が3勝をあげてタイトル防衛まであと1勝としています。
第5局は神戸市北区で行われ、2日目の28日は先手の藤井七冠が27日の対局終了時に次の1手を書いた「封じ手」を立会人が開封して対局が再開しました。
対局は序盤から互いに駒を取り合う激しい展開となりますが、盤の中央での攻防で藤井七冠が相手の「角」を取ると、「飛車」も使って攻撃を仕掛けます。
渡辺九段も反撃を試みますがしのいだ藤井七冠が相手玉を追い詰め、午後6時21分、渡辺九段が97手までで投了しました。
この結果、藤井七冠が4勝1敗で七番勝負を制してタイトル防衛を決め、「王位戦」5連覇で「永世王位」の資格を得ました。
藤井七冠は先月「永世棋聖」の資格を得て、永世称号獲得の最年少記録を53年ぶりに更新していて、「永世王位」は2つ目の永世称号となります。
「永世王位」を獲得したのは大山康晴十五世名人、中原誠十六世名人、羽生善治九段に次いで4人目。
永世称号を2つ以上獲得したのは大山十五世名人、中原十六世名人、羽生九段、それに渡辺九段に次いで5人目です。
現在22歳1か月の藤井七冠はこれまで羽生九段が保持していた永世二冠獲得の最年少記録、24歳9か月も更新しました。
一方、渡辺九段は、今回で6回目の藤井七冠とのタイトル戦となりましたが、雪辱を果たすことはできませんでした。
藤井七冠の次のタイトル戦は、来月4日に開幕する「王座戦」五番勝負で、永瀬拓矢九段(31)の挑戦を受けます。
藤井聡太七冠「防衛という結果は幸運もあったかなと思います」
対局のあと、勝利した藤井聡太七冠は、「どのような方針で指すか難しい局面が続いた将棋だったと思います。シリーズを通して内容的には押されていた将棋が多かったので、防衛という結果には幸運もあったかなと思いますし、もっと力をつけていかなくてはいけないと感じました」と話していました。
そして、タイトル5連覇で「永世王位」の資格を獲得したことについては、「対局に臨む上では意識していませんでしたが、永世称号を得られて嬉しく思っていますし、この5期の王位戦を通していろいろな経験をすることができたかなと思っています」と話していました。
渡辺明九段「まずまず戦えていたかと思いましたが残念です」
一方、敗れた渡辺明九段は、「勝機があるとしたら複雑な攻め合いになるかと思いましたが、あまりいいところがなかったという感じの将棋でした。シリーズの途中までは内容的にまずまず戦えていたかと思いましたが、残念です」と話していました。
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