漁業大国の日本に異変が起きています。経済成長を背景に世界で魚介類の生産量が増えるなか、日本の漁業と養殖業の生産量はピーク時から7割減りました。乱獲や海流の変化、漁業者の高齢化など構造的な要因がいくつも重なるなかで、植物から魚を作る植物魚や人工知能(AI)などのテクノロジーが窮状を打開する鍵になるのか。課題と変化の動きを探ったルポ迫真「消える魚、創るサカナ」のまとめ読みです。

(1)本日のイカ刺しは「植物魚」 漁獲量減少に新たな解

「このマグロは何でできていると思いますか?」。8月17日、ホテルニューオータニ(東京・千代田)で副総料理長の太田高広(56)が未来の食に関するイベントに集まった数十人の小学生に問いかけた。すしや刺し身が並ぶ特製のランチプレートを前…記事を読む

(2)回転ずし、黄色い顔の魚が救世主 低利用魚に活路


8日夜、大阪城近くの繁華街・京橋にある、くら寿司の店舗は家族連れや部活帰りの高校生らでにぎわい、1時間待ちの行列ができていた。
メニュー表に「白身魚のカルパッチョ」と書かれた握りが目をひく。もちもちとした…記事を読む

(3)ユーチューバーが挑むカキ養殖 脱・高齢化へDX活用


香川県小豆島の沖合、穏やかな海を船が走る。島の漁師、浜田祐輔(31)が墨を吐く全長70センチメートルほどのアオリイカを引き揚げた。つゆ入りの袋に入れると特大の即席「イカの沖漬け」が出来上がる。動画投稿サイトのユーチューブで380万…記事を読む

(4)大トロ育てる魔法の水 脱・乱獲、陸で理想の養殖


「生産者の経験と勘をデータ化した。水の交換が要らず、サケを刺し身で食べられる」。NTT東日本担当課長の越智鉄美は胸を張る。東京都内の敷地に立つ静かな建物に入ると、緑色に光るランプの下でベニザケの群れが悠々と泳ぐ。…記事を読む

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