表面実装機の最終検査の様子(17日、浜松市)

ヤマハ発動機は17日、増改築した浜松ロボティクス事業所(浜松市)を報道陣などに公開した。半導体チップなどを基板に載せる「表面実装機」の生産能力を約2倍とした。同装置は足元では販売が低迷しているが、今後の需要拡大に備える。

同事業所はほかに産業用ロボットの開発や製造、販売を手掛ける。ロボティクス領域の需要拡大を見込んで2023年1月に着工し、24年6月に完成した。延べ床面積は約1.6倍の8万5858平方メートルとなった。投資額は約90億円。

増改築工事が完了した浜松ロボティクス事業所。右側が増築部分

表面実装機などの増産は需要に応じ順次進める。顧客向けコールセンターを設け、屋根に太陽光パネルを追加するなどで温暖化ガス排出を実質ゼロとした。担当者は「FA(ファクトリーオートメーション)装置業界は受注変動が激しく、生産レイアウトを変更しやすくしている」と述べた。

ロボティクス事業の40周年も祝い約200人を集めて式典も開かれた。16日未明に自宅でケガをした日高祥博社長は書面であいさつを寄せ、「ロボティクス領域は生成AI(人工知能)やカーボンニュートラル、人手不足などを背景に大きな伸びが期待される」とした。

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