信越化学の斉藤恭彦社長㊥と群馬県の山本一太知事㊧、同県伊勢崎市の臂泰雄市長は合同会見を開いた(11日、群馬県庁)

信越化学工業と群馬県、同県伊勢崎市は11日、群馬県庁で記者会見を開き、同社が伊勢崎市に建設を決めた新工場の概要などについて説明した。信越化学の斉藤恭彦社長は「群馬県の対応の速さや柔軟さが決め手となった」と進出の理由を説明し「半導体材料の一大拠点にしていきたい」と話した。山本一太県知事も「県の経済にとって大きな起爆剤となる」と語った。

同社は県南部で造成中の「伊勢崎南部国領産業団地」の約15万平方メートルを取得し、新工場を2026年までに建設する。建設工事に関わるのはピーク時で約1500人、新工場の稼働時には約80人の雇用を生み出すと見込む。新工場では半導体露光材料などを生産する。

同社は取得した敷地内に段階的に投資をしていく方針。斉藤社長は「これから第2期、第3期と拡張していくための大きな用地を残している。将来は研究施設も設けたい」と話した。群馬は地震など自然災害のリスクが低く「事業継続計画(BCP)の観点からみて満点に近い場所で、東京にも近い」と立地における利点を語った。

会見に同席した伊勢崎市の臂泰雄市長は信越化学の進出について「新たな雇用をつくり、定住者の増加や地域経済の発展に大きく寄与する」と期待感を示した。

県内では災害リスクの低さなどを背景に拠点の新設や移転が相次ぐ。IHI子会社のIHIエアロスペースが4月に東京都内から富岡市の拠点に本社を移したほか、23年には仏ミシュランの日本法人である日本ミシュランタイヤも都内から太田市に本社を移転した。

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