サムスン電子は新製品の投入でスマホ部門の売上高は回復しつつある(4月、ソウル市内)

【ソウル=松浦奈美】韓国サムスン電子が30日発表した2024年1〜3月期の事業別業績で、半導体部門の営業損益は1兆9100億ウォン(約2100億円)の黒字(前年同期は4兆5800億ウォンの赤字)だった。同部門の黒字は5四半期ぶり。大手各社の減産や、生成AI(人工知能)用向けの需要の増加で、半導体価格が上昇している。

半導体部門の売上高は前年同期比68%増の23兆1400億ウォン。そのうち半導体メモリーの売上高は同96%増の17兆4900億ウォンに増えた。受託生産(ファウンドリー)などの「その他半導体」の売上高は18%増の5兆6500億ウォンだった。

業績回復の主因は半導体の市況回復だ。23年通期で営業赤字だった半導体部門が1〜3月期に黒字転換した。パソコンやスマートフォンの売れ行き不振でメモリー在庫が積み上がり、サムスンをはじめとするメモリー各社が減産を進めていた。

過剰在庫の解消に加え、生成AIブームでデータセンターへの投資も伸びた。調査会社によると記憶の役割を果たす半導体製品「DRAM」と「NAND型フラッシュメモリー」の1〜3月期の販売価格は前四半期から2割ほど上昇した。

半導体と並ぶ主力のスマートフォン部門は、売上高が前年同期比5%増の33兆5300億ウォン、営業利益は11%減の3兆5100億ウォンだった。

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