南極観測船(海上自衛隊砕氷艦)「しらせ」(斎藤一城艦長)が20日午前、神奈川県横須賀市の港から南極・昭和基地に向けて出発した。第66次観測隊の本隊は来月上旬、オーストラリアのフリーマントルから乗船し、来年初めに昭和基地に到着する予定。

隊長は原田尚美東京大教授で、女性として初の南極観測隊長となる。

66次隊は気候変動解明の一環として、南極のトッテン氷河沖で海に張り出した棚氷の下側が融解する様子をしらせで2回観測する。昭和基地では新隊員宿舎の建設を続けるほか、内陸に約1000キロ離れた「ドームふじ観測拠点II」では、先遣隊が約100万年前の氷の採取を目指して本格的な掘削を始める。

原田隊長は東大大気海洋研究所で海洋物質循環や過去の環境の解明に取り組んでいる。トッテン氷河沖をしらせで2回観測するのは初めての試みで、「(地球温暖化で)棚氷が解けている同氷河沖の実態を明らかにすることが重要だ。緊張感を持って良い成果を出したい」と話した。

南極・昭和基地に向けて出港する南極観測船「しらせ」=20日午前、神奈川県横須賀市

乗員家族らに見送られ、出港する南極観測船「しらせ」=20日午前、神奈川県横須賀市

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