22日午前、「文献調査」を行ってきた、NUMO=原子力発電環境整備機構の山口彰理事長が寿都町役場を訪れ、片岡春雄町長に面会しました。
面会の様子は非公開でしたが、NUMOによりますと、山口理事長から片岡町長に調査の報告書が手渡されたということです。
高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」は強い放射線を長期にわたり出し続けることから、地下300メートルより深くに埋めて最終処分することになっていて、処分地の選定に向けた第1段階の「文献調査」が全国で初めて、北海道の寿都町と神恵内村を対象に4年前から行われてきました。
22日提出された報告書では、のべ1800点余りの資料を調べた結果、ボーリング調査などを行う第2段階の「概要調査」に進むことができると結論づけた上で、寿都町の全域と神恵内村の南端の一部を、候補地として示しています。
NUMOは、22日午後に神恵内村と道にも報告書を提出することにしています。
「概要調査」に進むには、町村長に加えて知事の同意が必要になりますが、鈴木知事は、処分場を受け入れないとする道の条例などを理由に、反対する意向を示していて、今後は道と2つの町村の判断が焦点になります。
【リンク】“核のごみ”最終処分地選定 「文献調査」報告書の原案公表
武藤経産大臣 丁寧に情報発信していく
これについて武藤経済産業大臣は22日の閣議後の記者会見で「調査を受けていただいた寿都町と神恵内村の皆様には改めて心より感謝申し上げる」と述べました。
そのうえで「地域と国民の声に丁寧に向き合い、全国で議論が深まるよう国が前面に立って取り組んでいく」と述べ、今後、道内外での説明会の開催や全国での広報活動を通じて、報告書の内容などについて丁寧に情報発信していく考えを示しました。
寿都町 片岡春雄町長“理解深める取り組み進める”
北海道寿都町の片岡春雄町長は「実施主体であるNUMOが開く説明会のほか、町としても各地区での勉強会を随時開催していく予定です。今後も理解を深める取り組みを進めるとともに、地層処分事業をめぐる議論の輪が全国に広がることを期待しております」などとしたコメントを発表しました。
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