高校生・高専生が、科学技術や数学の自由研究の成果を競う「JSEC2024(第22回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」(朝日新聞社、テレビ朝日主催)の最終審査会が7、8の両日、東京都江東区の日本科学未来館であった。
最優秀賞にあたる文部科学大臣賞は、「競技かるた選手を対象にした共感覚の後天的獲得可能性の検討」を発表した木原白桃さん(マリスト国際学校=兵庫県)が受賞した。
木原さんは、競技かるたの経験をもとに文字や音に色が見える「共感覚」に関心を持ち、全国の選手に協力を依頼して研究した。その結果、共感覚は先天的に獲得されるとする定説を覆し、後天的に獲得する事例が存在することを示した。さらに、先天的と後天的の差なども研究し、高く評価された。
科学技術政策担当大臣賞は「日本のイモリ属(Cynops)の繁殖生態はどのように獲得されたか?」を発表した大久保亜美さん(山脇学園高=東京都)、科学技術振興機構賞は「自己修復性を有するアルミニウム防食用有機/無機ハイブリッド二重構造表面層の開発」を発表した畠山乃愛さんと柴田怜奈さん(旭川高専=北海道)に贈られた。
特別協賛社賞の花王賞は竹下香穂さん、古井咲良さん、佐藤茉愛沙さん(静岡理工科大静岡北高)が受賞。協賛社賞のJFEスチール賞に木村遥さん(新居浜高専=愛媛県)、栗田工業賞に工藤良史さん(浅野高=神奈川県)、日本ガイシ賞に西田優美奈さん(横浜市立南高)、ソニー賞に黒木勇人さん(早稲田大高等学院=東京都)、デンカ賞に平尾瑞姫さん、井上真緒さん、川田愛さん(米子高専=鳥取県)、荏原製作所賞に浦口愛彩さん、辻優里香さん、新倉里咲さん(玉川学園高等部=東京都)がそれぞれ選ばれた。
朝日新聞社賞は小野克己さん(佼成学園高=東京都)に授与された。
表彰式であいさつした阿部俊子文科相は「皆さんが研究成果を発表した経験は、将来の大きな財産になると思う」とたたえた。
今年のJSECは、全国173校から過去最多となる404研究作品が応募され、合計705人の高校生や高専生が参加した。このうち、書類審査などで高く評価された35研究作品が最終審査会で発表した。この中で高く評価された12研究作品が、来年5月、米国のオハイオ州コロンバスで開かれる世界最大級の科学コンテスト「リジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF)」に日本代表として派遣される。
表彰式の映像は、12月下旬までJSECのサイト(https://manabu.asahi.com/jsec/live/timeshift.html)で公開している。
そのほかの主な受賞者は以下のとおり。
花王奨励賞 石田那央さん(早稲田大高等学院=東京都)、萩原健登さん、山下颯斗さん(静岡理工科大静岡北高)▽竹中工務店賞 茂木杏珠さん、大矢樹里さん(山脇学園高=東京都)▽パイロットコーポレーション賞 藤井佑成さん(千葉県立千葉高)▽住友ベークライト賞 野田美桜さん(お茶の水女子大付属高=東京都)▽エクシオグループ賞 畑颯馬さん(津山高専=岡山県)▽阪急交通社賞 田中喜大さん(筑波大付属駒場高=東京都)▽朝日学生新聞社賞 植野菜々子(ノートルダム清心学園清心女子高=岡山県)▽テレビ朝日奨励賞 深津天馬さん(渋谷教育学園幕張高=千葉県)▽審査委員奨励賞 横井杏樹さん(大阪教育大付属高池田校舎)、趙佳旭さん(福岡インターナショナルスクール)、土田剛慎さん(早稲田大系属早稲田佐賀高)
(後日、特集面と朝日新聞デジタルで詳報します)
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