農業用機械メーカーの丸山製作所(東京)が、自動で走行する農薬噴霧ロボットの試作モデルを完成させた。ビニールハウスなど室内で使うことが主な用途の農機の場合、GPSが使えないことが自動化を阻んできた。たが、同社ではそのネックを乗り越えて農家の作業の効率化につなげたい考えだ。
ロボットは、4月26日にプロ野球日本ハムの本拠地のある複合施設「北海道ボールパークFビレッジ」(北海道北広島市)にある農機大手・クボタ(大阪市)の農業学習施設「クボタアグリフロント」に導入された。毎時1キロメートルのゆっくりした走行で、ビニールハウス内のトマト栽培エリアを巡回しながら、人に代わってしっかりとムラなく農薬を噴霧する。
自動車の自動運転なども含め通常の自動ロボットはGPSを使って位置を把握して走行するが、室内利用の農機の場合、電波が届かないことがあるためGPSを利用できなかった。今回のロボットは、搭載したカメラの映像や、ハウス内に設置した二次元バーコードなどを読み取りながら位置を把握することで自動走行を可能にした。スマートフォンから遠隔操作できる。
このロボットは試作品で実用化は未定という。クボタでは、施設の見学者に最先端の技術を体感してもらうことを目的に導入した。(佐藤亜季)
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