東京電力は17日、今年度2回目となる福島第一原発からの処理水の海洋放出を始めた。昨年度からの累計では6回目。敷地内のタンクで保管している水約7800トンを海水で希釈しながら放出する予定で、順調に進めば6月4日に完了する見込み。

 東電によると、放出予定のタンクの水の放射性物質の濃度を測定したところ、トリチウム以外の放射性物質の濃度はいずれも国の法令基準を下回った。日本原子力研究開発機構と民間の分析機関の分析も同様の結果だったという。

 東電の測定では、放出予定の水のトリチウムの濃度は1リットルあたり17万ベクレル。原子力規制委員会が認可した計画で定める同1500ベクレル(法令基準の40分の1)を下回るよう、100倍以上の海水で希釈して放出するという。

 政府と東電などは昨年8月の放出開始以降、福島第一原発の周辺で海水や魚の放射性物質の濃度を測定しているが、異常な値は確認されていないという。

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