琉球王国時代に歴代の王の遺影として描かれていた肖像画、「御後絵」は、沖縄戦の混乱の中で行方がわからなくなっていましたが、去年、4点がアメリカの退役軍人の家で見つかり、ことし3月、沖縄県に返還されました。

いずれも傷みが激しい状態で、県は、保存にむけた修復を検討するため琉球の歴史や絵画の修復などに詳しい5人で構成される専門家会議を設置し、23日那覇市で開かれた初会合では、5人の委員に委嘱状が交付されました。

専門家会議の委員長に選ばれた沖縄県立博物館・美術館の前館長、田名真之さんは「戦後失われた御後絵の現物がやっと見つかったことは本当に画期的なことだ。修復にはしばらく時間かかるが楽しみに待ってほしい」とあいさつしました。

続いて委員たちは机に広げられた「四代尚清王」とみられる御後絵と、誰が描かれているか分かっていない3分割された御後絵の2点について、かがんで顔を近づけたり、小型の照明で照らしたりして顔料がはがれた表面の状態を目視で確認していました。

専門家会議では今後、顔料などを詳しく分析し、修復方法や公開のあり方などについて検討を進めることにしています。

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