名古屋市から事業者指定取り消しの行政処分を受けた、恵が運営するグループホーム=同市北区で2024年5月13日午後3時38分、荒木映美撮影

 障害者グループホーム(GH)を運営する「恵」(本社・東京)が利用者から食材費を過大徴収するなどした問題で、群馬県内にある同社運営のGHなど5施設のうち、最も新しい太田市を除く渋川、前橋、伊勢崎、高崎各市の4施設で58人から計637万5616円の食材費を過大徴収していたことが判明した。このうち渋川のGHが最多の約440万円を26人から過大徴収し、いまだに約24万円を返還できていない。

 同社は障害者総合支援法に基づく連座制が適用され、県内の各GHは6年ごとの指定更新が認められず、27~29年に施設を運営できなくなる見通し。廃業か他の事業者に譲渡される可能性がある。

 組織ぐるみの不正行為に、山本一太知事は27日の記者会見で「あってはならないことだ。非常に強い怒りを感じる」と批判。利用者が必要なサービスを受けられるよう支援する考えを示した。

 各施設の定員は10~20人で、GHがある自治体の担当者は「利用者は適切な施設でサービスを受けるべきだが、今の施設を追い出される環境の激変も負担が大きい」と懸念している。【田所柳子】

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