植物由来の素材でウナギのかば焼きの見た目や食感を再現した日清食品ホールディングス(HD)の「謎うなぎ」シリーズが好評だ。オンライン販売は昨年に続き、今年も販売開始1分で完売。だが、一部地域で手にできる機会はある。今年の土用の丑(うし)の日は24日だ。試してみては?
「謎うなぎ」は、同社の「カップヌードル」に入る「謎肉」で培った技術を応用し、主原料は大豆たんぱく。パッケージに「うなぎ不使用」と記した「謎うなぎ」が初めて登場したのは、2023年7月。同社オンラインストアで冷凍食品の「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」(115グラム入り、税込み1620円)を1000セット用意し、販売開始からわずか1分で売り切れた。好評を受け、今年は5000セットを用意し、7月11日にオンラインストアで発売したが、1分もたたないうちに完売した。
人気の「謎うなぎ」は今年、実店舗でも販売している。新商品として即席カップライスの「日清謎うなぎ丼」(100グラム入り、税込み398円)を投入。15日から関東甲信越、中部、近畿地方で販売を始めた。20日からは「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」を関東地方にあるイオンリテールの冷凍食品専門店「@フローズン」でテスト販売する。2商品とも期間・数量限定で、在庫がなくなり次第販売を終了する。
X(ツイッター)での反応も上々だ。「日清謎うなぎ丼」はコンビニで目新しさに引かれて買うケースが多いようで、「サンショウがほのかに利いてうまいねえ」「何というか未来を感じておいしい」「ウナギかと問われると微妙かもしれませんが……有りか無しかならば有り」などの投稿が目立った。「プラントベースうなぎ 謎うなぎ」は、高価格なことから「本物のうなぎを買うかも」という意見もあるが、「食べてみたい」と期待する声もあった。同社の担当者は「予想以上の反響に驚いた」と話している。
ニホンウナギは絶滅危惧種に指定されており、養殖では天然の稚魚「シラスウナギ」を成魚に育てる方法が一般的だ。ただ、シラスウナギの漁獲量は1980年代と比べると約10分の1に落ち込んでいる。卵から育てる完全養殖は技術的には可能だが、生産コストが高く実用化には至っていない。
「ウナギを食べるという日本の食文化が失われてしまう」と懸念した日清食品HDは18年ごろから「ウナギ様食品」の開発に着手した。当初は卵白や魚肉を材料にすることも検討したが、持続可能性を重視し、動物由来原料を使わない、最新の大豆たんぱくの加工技術を用いたという。【嶋田夕子】
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