甘辛いタレの匂いが立ち上る中、手際よくかば焼きを焼く職人たち=千葉県成田市で2024年7月24日午前10時25分、合田月美撮影

 「土用の丑(うし)の日」の24日、ウナギ料理の店が並ぶ千葉県成田市の成田山新勝寺参道は、朝から大勢の客でにぎわった。

 1910年創業の老舗「川豊(かわとよ)」では、職人たちがいきのいい肥えたウナギを次々とさばき、焼き網に乗せた。ふっくらと蒸した後、再び伝統のタレで照りのある濃いあめ色にこんがりと焼き上げ、店頭には甘辛いタレの香ばしい匂いが漂った。それにつられるように、店頭には開店の1時間以上前から整理券を求める人だかりができた。

 店はこの日、週末の2倍、平日の3~4倍の来客を見込み、料理場には通常の倍の15人の職人が集まった。稚魚の不漁などで「仕入れ値は今までにないほど高騰している」が、店は価格の据え置きを決めている。副店長の小貫暁子さん(51)は「少し召し上がるだけでも栄養がとれるので、ウナギで体力をつけて暑さを乗り切ってほしい」と話した。

 鋸南町の50代女性は「価格が多少上がっていたとしても、やはりこの日にいただくのが毎年の楽しみ」と整理券を握り締めた。今夏は暦の関係で8月5日も土用の丑の日となっている。【合田月美】

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