全国知事会は25日、東京都千代田区で開いた全国知事会議で、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の正答率の公表方法に関するアンケート結果を報告した。文部科学省もこの報告を受けており、近く有識者会議を開き、都道府県・政令市別に公表している現行方式の見直しを検討する。
学テは毎年4月に全国の小学6年、中学3年を対象に実施され、文科省が都道府県・政令市別の平均正答率を公表していた。この方法は以前から「自治体間の競争を助長する」と批判があり、8月の知事会議でも問題視する意見が出た。
知事会は9月、全都道府県にアンケートを実施。学テの頻度は35自治体(74%)が、対象については38自治体(81%)が現行の方式を支持した。
公表方法については25自治体(53%)が現行方式を支持する一方、全国の状況のみを公表すべきだとした自治体が14(30%)あった。自由記述では「授業改善に生かすという学テの目的・趣旨が伝わる公表方法を求める」「現在の公表方法が過度な競争や教職員の負担につながっている」といった意見も寄せられた。
結果を取りまとめた知事会文教・スポーツ常任委員会副委員長、河野俊嗣・宮崎県知事は、文科省が見直しを検討することを明らかにしたうえで「知事会が一石を投じた形だ。検討状況を注視したい」と述べた。
文科省は12月に開催する有識者会議で公表方法の見直し案を検討する。議論がまとまれば、2025年度から変更する。【斎藤文太郎】
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