厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 子宮頸(けい)がんを予防するHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンの接種機会を逃した女性へのキャッチアップ(後追い)接種について、厚生労働省は27日、無料で接種を受けられる期限を、条件つきで2026年3月まで1年延長する方針を決めた。必要な3回の接種のうち、当初期限の来年3月までに少なくとも1回受けた人が対象となる。

 また、25年3月で定期接種の期間が終わる今の高校1年の女性も、同様に延長する。

 27日の厚労省専門部会では、期限が迫る中で接種を受ける人が急増し、特に需要の高い9価ワクチンなどに出荷制限がかかっていることが報告された。また、対象者のうち多くの年齢で、初回の接種率が9月末の時点で3~4割にとどまっているとした。

需要が高まり出荷制限がかかっている9価のHPVワクチン=MSD社提供

 子宮頸がんは性的接触によるHPV感染が主な原因で、ワクチン接種で感染予防が期待できる。

 国は13年4月、小学6年~高校1年を対象に定期接種を始めたが、接種後に体の痛みなどを訴える人が相次ぎ、同年6月に積極的勧奨を差し控えた。22年4月に有効性と安全性が確認されたとして勧奨を再開した。

 同時に始まった後追い接種は、勧奨が中断されていた間に接種時期を迎えていた1997~07年度生まれ(16~27歳)が対象となっている。【中村好見】

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