離婚後の「共同親権」の導入を柱とした民法などの改正案が一部修正のうえ、衆議院の法務委員会で可決されました。質疑では子育て支援への影響を懸念する声が上がりました。

共産党 本村衆院議員
「共同親権になったら(高等)教育無償化ではなくなるの?という不安の声も出されています」

あべ文科副大臣
「保護者の収入に基づいて受給資格の認定が行われるところでございまして、保護者の定義、子に対して親権を行うものと定めております。そのため今回の民法改正後に共同親権を選択した場合においては、親権者は2名となることから、親権者2名分の収入に基づいて判定を行うことになります」

共産党 本村衆院議員
「DV虐待ケースだけではない。高葛藤で話もしないというような形で離婚をする場合などですね、2人の親権者の所得で計算されてしまうと、やっぱり現状よりも子どもと共に暮らす親御さんひとり親世帯への経済的負担が増えたり労力が増えるということになるんじゃないですか」

あべ文科副大臣
「個別のケースに応じて判断する必要があるところでございまして、子の教育費の負担軽減を図ることができるよう法務省ともしっかりと連携をさせていただきながら適切な認定事務に努めて参ります」

 共同親権を選択した場合、高等教育無償化は、DVなどで経費負担を求めることが難しい場合をのぞき、元夫婦の収入を合算して受給資格の認定を行うため、単独親権の時と比べて受給しづらくなる可能性があります。

 一方で、児童扶養手当は、子どもと暮らして養育しているなど監護している人の所得によって判断されるため、元夫婦の収入が合算されることはありません。

 法案に反対した共産党は、共同親権により影響がさまざまところに及ぶものの、理解されていないと批判しました。

 国会審議ではその他に、「単独親権」と「共同親権」のどちらを原則とするかは定めていないことや夫婦が対立して、話し合いがもつれていることだけをもって一律に「単独親権」とはならないこと、養育費の支払いがあることだけで「共同親権」とは判断されないこと、また、養育費の長期間の支払いがない場合は共同親権へと認められない方向に「大きく働く事情」であることなどが、答弁により明らかになりました。

 この法案は、自民、公明、立憲、維新などの賛成多数で12日、衆議院の法務委員会で可決され、今の国会で成立する見通しです。

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