「自分という宝物を探そう」と入学式で生徒を前に絵本を読み聞かせする酒匂校長=宮崎県延岡市の市立南浦中分教室で2024年4月11日午後1時13分、重春次男撮影

 不登校の生徒に合わせたカリキュラムを組める「学びの多様化学校」が今春、宮崎県で初めて延岡市立南浦中に開設された。新入生3人を迎える入学式が11日あり、既に入校した2、3年生6人と共に新たな学校生活をスタートさせた。

 学校は南浦中の分教室として、隣接する市立熊野江小校舎3階の空き教室を使い開設した。年間授業時間は、通常の中学より約2割少ない770時間を設定。興味や関心のある分野を探究する「プロジェクト学習」や、音楽と美術、技術・家庭を合わせた「芸術」、「個別学習」など4教科を設けた。

 入学式で南浦中の酒匂慎一郎校長は米作家、シェル・シルヴァスタインの絵本「ぼくを探しに」を読み聞かせ、「今からみんなで自分という宝物を一緒にゆっくりと探そう」と呼び掛けた。

 この日、次女(12)が入学した母親(41)は「無理をせず自分のペースで学んでほしい。これまでは学校がきつかったので多様化学校ができ、選択肢が増えたのは大きい」と期待を寄せた。

 文部科学省によると、4月現在、全国で学びの多様化学校は35校設置されている。九州では3月まで鹿児島県の1校のみだったが、4月に宮崎、大分、福岡の3県で1校ずつ設置され計4校となった。【重春次男】

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