半導体の研究開発への支援を発表した米商務省のロカシオ次官(9日、米西部カリフォルニア州)

【シリコンバレー=清水孝輔】米商務省は9日、半導体の研究開発を支援するために新たに最大16億ドル(約2500億円)を投じると発表した。CHIPS・科学法に基づく措置で、人工知能(AI)の普及で需要が高まる先端パッケージ分野が対象となる。工場に加えて研究開発を補助することで、米国の半導体産業の競争力を高める。

新たなプログラムでは研究1件あたり最大1億5000万ドルの支援を見込む。優れた研究に配分する競争的資金とする。具体的な研究分野としては装置や電力供給、複数のチップを1つの基板に集積する「チップレット」といった技術を想定する。

商務省のローリー・ロカシオ次官が9日、米サンフランシスコで始まった半導体の製造装置や材料の展示会「セミコンウエスト」で明らかにした。ロカシオ氏は「米国が先端パッケージで世界を先導するのは半導体産業の未来にとって非常に重要だ」と述べた。

先端パッケージ分野はアジアの企業が強みを持つ。米政府はCHIPS・科学法を通じてこの工程を米国で担える環境づくりを進める。韓国サムスン電子や韓国SKハイニックスは米政府の支援を受け、米国内で先端パッケージング分野の投資を決めている。

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