AI向けのサーバー生産が好調だった

【台北=龍元秀明】台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業が14日発表した2024年1〜3月期決算は、純利益が前年同期比72%増の220億台湾ドル(約1060億円)だった。増益は3四半期連続。スマートフォンなどの需要が低迷したが、人工知能(AI)向けのサーバー生産などが好調だった。

売上高は9%減の1兆3239億台湾ドルだった。黄徳才・最高財務責任者(CFO)は同日開いたオンライン形式の記者会見で増益の理由に関し「在庫管理や製品ミックスの改善」などを挙げた。

傘下のシャープの業績不振に伴い105億台湾ドルの営業外損失を計上した。計上額は前年同期(197億台湾ドル)に比べれば小さい。

鴻海は米アップルのiPhone生産で世界最大手。生成AI関連で需要の伸びるサーバー本体や部品の生産も手掛け、米半導体大手エヌビディアや米クラウド大手などを顧客とする。巫俊毅・副総経理はAIサーバーの売上高が1〜3月期に前年同期比3倍に増え、サーバー全体の売上高の40%近くを占めたと明らかにした。

4〜6月期はサーバーやパソコン関連の売上高が前年同期を上回り、全体で3〜15%の増収が見込めるとした。AIサーバーの需要が強いことなどから、24年12月期通期についても前期比で3〜15%の増収とした従来見通しを据え置いた。

新規参入した電気自動車(EV)の受託生産事業に関し、日本市場を重視する方針も示した。巫氏によると、日本で2つの顧客と交渉しており、24年後半に正式契約を結ぶ見込みという。

台湾で投入した初の乗用車「モデルC」は24年中に1万台以上を出荷する計画だ。台湾南部・高雄市で建設中のEV工場では25年7〜9月期からEVバスを増産する。当初の生産台数は年間500台で、28年に1000台を目指す。

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