ゆうのもり内部で担当者から説明を受けるオープニング式典参加者=静岡県御殿場市東田中で2024年5月14日午前11時35分、石川宏撮影
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 海運大手の日本郵船(東京都千代田区)が静岡県御殿場市東田中の山中に自然環境保全などを目的とした「ゆうのもり」を整え、14日、オープニング式典を開いた。同市の小学生らを対象にした環境教育「木育(もくいく)」の拠点として来年度以降、活用される予定だ。

 森づくりにより、きれいな水が川を経由して海に流れ込めば海洋環境の保全につながると企画した。静岡、神奈川、千葉各県の計約10カ所の候補地の中から、山の傾斜が緩やかで森林保全活動がしやすい点や、東名高速御殿場インターチェンジに近く交通の便が良いことが決め手となって選ばれた。

 ゆうのもりは面積約4・6ヘクタール。昭和20年代後半から30年代に杉やヒノキが植林されたが、木材価格の低迷から最近30~40年は放置されていた。日本郵船は一部を買収、一部を賃借し、2023年6月から造成や間伐を始めた。今後100年かけ、広葉樹林に生まれ変わらせるという。

 日本郵船の長沢仁志会長は「海に世話になっている船会社として、森の再生ができないかと考えていた。御殿場市民や子供たちに、憩いの場、教育の場を提供したい」と話した。【石川宏】

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