パソナグループは14日、耳が聞こえづらい人の支援としてイヤホンなどに活用される「軟骨伝導」の普及へ、奈良県立医科大学などと連携すると発表した。新製品の開発や導入加速に向けた取り組みを推進。2025年の大阪・関西万博でも製品をお披露目する。

軟骨伝導は、耳付近の軟骨を振動させることで音を伝える技術。耳の穴をふさがずに明瞭な音が聞こえるほか、頭蓋骨を震わせる骨伝導と比べて音漏れが少ないとされる。奈良県立医大の細井裕司学長が発見した。既に自治体や金融機関の窓口などで、この技術を使ったイヤホンが導入され始めている。

パソナは同大と、軟骨伝導音響機器を手掛けるCCHサウンド(京都府精華町)と連携。万博会場では、パソナが出展するパビリオン内でスタッフが装着するインカムや来場者のガイド用イヤホンを軟骨伝導型にする。

細井氏は14日の発表会で、「軟骨伝導を知らない人が特に海外では多く、万博で体験してもらいたい」と意気込みを語った。同氏によると、軟骨伝導イヤホンは外部の音も聞き取りやすく、耳の聞こえづらい人以外にもメリットがあるという。

パソナグループなどが普及を進める軟骨伝導イヤホン=14日、大阪市北区

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