東京地検が入る庁舎=金寿英撮影

 勤務先の子会社の未公開情報を基にインサイダー取引をしたとして、東京地検特捜部は16日、再生可能エネルギー事業を手掛ける「Abalance」(東京都品川区、東証スタンダード上場)の元執行役員、堀内信之容疑者(60)=さいたま市見沼区=を金融商品取引法違反容疑で逮捕した。

 逮捕容疑は、2023年1月中旬、Abalanceの子会社がベトナムに新工場を建設して太陽光パネル生産事業の拡大を図るとする重要事実を知り、1月下旬にAbalanceの1万9400株を計約5316万円で買い付けたとしている。重要事実が公表されたのは23年2月10日だった。特捜部は堀内容疑者の認否や、利益を得たかどうかについて明らかにしていない。

 堀内容疑者は23年1月に株主・投資家向けに情報を発信するIR広報室長兼経営企画室長としてAbalanceに入社し、23年7月に退社した。かつて東証で勤務したこともあった。

 Abalanceは00年4月設立で、23年6月期の売上高は約2174億円。同社は「心よりおわび申し上げる。必要な再発防止策を講じ、信頼回復に努める」とのコメントを出した。【安元久美子】

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