原発専業の日本原子力発電(原電)が16日発表した2024年3月期決算は、最終的なもうけを示す純利益が前年比37.8%増の24億円だった。黒字は7年連続。保有する原発は2基とも動いていないが、大手電力が支払う「基本料金」で収益の大半を稼ぐ状況が続いている。

 売上高は前年比4.9%増の967億円。このうち、電力供給契約を結ぶ東京、関西、中部、東北、北陸の5社からの収入が計944億円だった。電気を売らなくても、大手電力から維持費用が支払われることになっている。村松衛社長はこの日の会見で、「長期にわたり停止中であり、受電会社には大変重い負担をかけている」と語った。

 原子力規制委員会が再稼働に向けた審査をしている敦賀2号機(福井県)は、原子炉建屋直下の断層が活断層かどうかをめぐる議論が続く。規制委は近く結論を示す見通しだが、再稼働を認めない可能性も出ている。今後の見通しについて、村松氏は「まずは次の審査会合に全力で対応する」と話すにとどめた。

 また、東海第2原発(茨城県)は安全対策工事が進められてきたが、施工不備が見つかり工事が中断するなどしている。(三浦惇平)

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